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  • Writer's pictureTomizo Jinno

歌舞伎を観て映像の「間」を思う

ホールイベントも再開されてきたが

新型コロナ渦はいまだに収まらないけれど、経済の再興は待ったなしというコンセンサスが社会にできつつあり、名古屋の御園座も歌舞伎演目の興行を再開しました。先日あるひとにご招待いただいて観に行ってきました。座席は夫婦カップルでも1席おきの指定席で、1Fの最前列や「すっぽん」の周辺は空けてありました。景色としてはちょっと興醒めな印象は避けられませんが、後ろの席の人の咳払いに危険を感じることを考えると、仕方がないなと思いました。


リズムに加速度

出し物の話もしないでいきなりですが、「ツケ」と呼ばれる効果音係の方が、役者の足音に模して打つ音を聞いていると、「パン、パン、パン、パン・・・」のリズムは、大概が「イーズイン」「イーズアウト」していて、さらにイーズイン後からイーズアウトの前までも曲線的な加速・減速がされていることに気づきます。つまりまったく一定ではないということです。


頭とお尻に「間」

役者に目を向けると、連続する所作のひとつひとつも、その始まり、終わりには必ず「静止」状態、つまり「溜め」あるいは「間」とも言える1秒くらいの時間があります。ただし、たまに、その間を無しにすることで、リズムに変化をつけることもあります。

映像編集と同じ

「加速度」「間」。これってカットとカットを継なぐ時に、僕らが自然にやっていることと同じなんです。視聴者の目がカットを視認して、その動きに追随するためでもありますが、こうした変則リズム的な編集によって、むしろ全体にリズムが生まれるからです。逆に間も加速度もない編集をすると、なんだか落ち着きの無い映像になります。

今度、テレビドラマを見る時に注意して見てみてください。

歌舞伎を観て映像の「間」を思う

愛知・名古屋の映像制作会社なら株式会社映像設計です。

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