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  • Writer's pictureTomizo Jinno

広告映像制作における照明の役割

照明を入れない撮影現場

10年ほど前から、撮影現場に照明スタッフ、機材を入れないことを普通だと考えるカメラマンが登場してきました。逆の言い方をすると、「どうして照明が要るの?」という思いを抱く人が現れたのです。それ以前の業界常識は、ニュース取材でも無い限りノーライトでビデオ(!)撮影はあり得ないことでした。いちばんの理由はカメラのハードウェアが進化して、暗い場所でもそこそこ映るようになったことです。しかし、この「アリノママで映る」ことが転じて、特にデジイチカメラマンに、アリノママで撮らないことを「わざとらしくてダサい」と思う人が増えてきました。

事実だけを撮る

それが映像制作の仕事だと考えている人もいます。ドキュメンタリーではなく広告やPRであっても、作為的につくられた(撮影された)画像は嘘っぽくて白ける思いするのは、若い世代に多いようです。昨日のブログでは、商品CMの商品カットの撮影は難しいということを書きました。そうした手間ひま掛けて作り込んだような画像も、言ってみればわざとらしいので、普通にそこに置いて、アリノママで撮ればいいという考え方です。


SNSによるマーケティングであっても

素人撮影の画像が、むしろリアルな品質を表していて、信頼出来る情報だと感じることもたしかにあります。ただし、こうした情報の中にも実は巧みなプロのマーケティングが隠れているように、撮影技術の中にも、わざとらしくない照明技術が、優れた映像の基礎を支えています。


アリノママ撮影は企画の幅を狭める

照明を巧みに利用して、視聴者に意識させないうちに、撮影対象を美しく際立たせるのがプロの仕事です。広告・PR映像では、照明を入れずに撮る映像では、リアリティ軸だけの表現になってしまうため、企画のバラエティ、演出の幅が制限されていることを、今一度考えてみて欲しいと思います。


広告映像制作における照明の役割

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