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  • 名古屋WEB動画制作所 管理人 神野富三

映像制作において「撮影」を選択すること

Updated: Dec 31, 2020


映像・動画制作と撮影の関係

映像・動画を作成するためには、その素材となる画像(必ずしも動いていなくてもいい)が必要ですので、映像・動画制作と「撮影」という行為は切っても切れない関係です。あたりまえですね。 しかし新規で映像・動画を制作するからといって必ず「撮影」が必要とは限りません。今どきはレンタルポジならぬレンタル動画素材が豊富にあり、そのクオリティはプロユースに耐えられるものになっています。

お客様に関する映像はレンタルには無い

ただ、我々のようなB2Bの映像制作では、被写体がお客様の商品であるとか、会社内であることも多く、一般に流通している画像・動画素材だけで構成することは稀です。

さて、我々の主たる業務である撮影作業も、被写体によって随分意味が異なり、利用する機材だけでなく段取りや組織体制もケースバイケースです。

(1)そこにあるがままを捉える撮影。

例えば「工場での機械の組み立ての様子」を撮るには、日常的な操業状態の工場にお邪魔すればいいわけですが、PRの場合は、ある程度空間を綺麗に整然とさせたり、操作する社員の方々の安全装備や服装にも気を使いますので、ある程度の下打合せや、演出が必要です。

社内的な操作マニュアルのような映像であれば、それこそぶっつけでお邪魔して、その場で打ち合わせしながら撮っていく、なんてこともたまにはあります。

イベントなどの記録映像の撮影もこれに含めていいのですが、「生で進行」している様子を余すところ無く収録するには、複数台のカメラを投入して様々な角度から撮影する必要があります。

総じて「あるがまま」と言っても、時間(太陽の角度)や季節、天候の影響を受ける対象の場合や、画面に入る人やお客様の都合もあり、予め周到な準備をして臨まないと、意図する映像を収録できないことがあります。ただ、画面に入ってくる要素について、制作会社側で用意する要素が少ないため、撮影に掛かるコストは原則的に撮影機材、照明機材、スタッフギャラに顎足枕(あごあしまくら)です。

(2)そこに持って行って撮影。

いわゆる「ロケーション」によって必要とする背景を得て、そこに必要な商材や人を置いて(演じてもらって)撮影することも多いのがB2B映像です。

ロケ場所はお客様の指定であったり、スタッフが探してきた場所だったり。これも天候や時刻の影響を受けることもあるし、場所の所有者との交渉もけっこうな手間です。

テレビドラマや大手CM・VP制作案件であれば、ロケーションコーディネータを起用して、そうした業務を外注することもあります。

いずれにせよ、大勢のスタッフで掛かる仕事になりますし、様々なリスクへの対応費用で、かなり予算が掛かります。

(3)そこに背景を作って撮影。

スタジオ等の特定の場所にセットを組んで、商材や人を入れ込んで行う撮影です。スタジオ費用や美術さんなどの費用は嵩みますが、リスクを冒してロケーションで行うよりも予算が読めますので、制作期間が短かったり、作品内容を確実に担保したい時はこうしたスタジオ撮影の方が、もしかしたら安価に上がるかも知れません。ただし、あくまでセットであり実際にある場所ではないので「リアリティ」を重視する映像には向きません。

(4)CG、イラストとの合成を前提とした撮影。

この場合、登場する商材や人だけを、単色に塗ったスタジオを背景に撮影します。CGやイラストのコストは確実に読めますし、スタジオのセットはシンプルなものです。問題はやはり合成であり、そこをリアルにしたいと追い込んでいくには時間とコストが掛かりますので(2)(3)とこれ、どれを選択するかは、お客様とプロデューサーの相談で決まります。

撮影費用は全体制作予算の多くを占める

映像・動画制作のお見積りでは、その予算の多くが撮影に関する費用になりますので、どういった撮影を行うかは、お客様にとって大きな課題のはずです。

完成する映像のデキフデキは、当然ながら編集に使用する画像、映像の品質がそれに直結します。

レンタル素材も侮れない

冒頭にも書いたように、最近では自然の景観やイメージ映像、3DCGなどのハイクオリティ素材がとても安価に使用できます。撮影すれば数百万円掛かりそうな映像が、ほんの数万円から数十万円で手にはいりますから、素人目には(我々プロでも)、その映像の制作予算がいくらなのか想像できないはずです。

一連でコンセプトやトーンが揃っている映像素材集が見つかれば、その素材集をおしゃれに編集すれば、ハイエンドな1作品がたった数十万円でできてしまう可能性もあります。

ようは企画次第です。しかしB2Bの映像制作は、実際にはお客様のご要望を満たした映像企画を立て、シナリオをつくっていきますから、レンタル素材を利用できる場面はそんなに多くはありません。

新しい時代の映像制作スタイル

これからの時代のB2B映像制作の企画において我々プロダクションは、予め高品質なレンタル素材の有無を調査しておいて、より多くの借用素材を利用できるようなシナリオに仕立てながら、お客様のご要望も百%満たすような仕事の進め方も必要かも知れませんね。


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