- 名古屋WEB動画制作所 管理人 神野富三
勘違いだらけのリテラシー・悪魔の設計図
Updated: Jan 3, 2021
事実
あるプロジェクトが立案され、遂行される。
そのプロジェクトは一定の形を完成させて、かたちある「事実」となる。
事実を伝える
その「事実」を完成したかたち(もの)とは別な次元、例えばプロジェクトを伝える文字や映像という情報に置き換える時は、そこには時系列という重要な情報を紐づけなければならない。同時に、連続したレイヤーは一貫した角度で捉えた事実でなければ、情報の受け手は混乱する。
シナリオは悪魔の設計図
大きな事実を構成する小さな事実は、その順番や視点(当事者、第三者など)を改ざんすると、まったく異なる性質を表すことがあることは、みんなよく知っているはずだ。
しかし、映像制作という仕事は、こうした時系列を入れ替え、角度の異なったレイヤーを織り交ぜ、新たな時系列に並べ換える作業である。そしてあたかもまごうことない事実のように見せる映像を作り上げる。映像のシナリオを紡ぐという仕事は、事実を改ざんして、別な事実を生むことを画策する悪魔の設計図なのだ。映像を作っている僕が言うのだから嘘ではない。
本題!
なーんて物騒な書き方をしてしまったのには訳がある。
いま世間を騒がしている市場の問題や小学校の問題。これらにまつわる報道(報道ではなくショー?)は時間の順番も主語も真贋もバラバラ。もうメチャクチャです。次から次に掘り出される「小さな事実」は噂の域を出ないレイヤーの情報だったり、ずいぶん昔の話だったり、そもそも「問題ではない事実」だったり・・・。
それらが伝え手の意図に沿ったストーリーの軸に並べ替えられて垂れ流される。それを見ているお茶の間が、ほんとうの事実を把握するなんてできるわけがありません。さらに視聴者は新聞、テレビ、ネットというメディアをランダムに見ていて、ごちゃまぜの情報をこれまた勝手に自分のストーリーに乗せているだけ。伝え手側も「制御不能」であることが恐ろしい。
問題提起!
しかし、ジャーナリズムに働く皆さん、こうした状況をなんとかしなくては、と思わないのですか!?自分らには責任がないと言い切れますか? 僕らは悪魔の設計図を描く道具をもっていることをもっと恐れなくていいんですか?。
そんな中、こんな記事を見つけました。
いまのメディアに辟易としていた僕は思わず目頭を熱くしました。