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  • Writer's pictureTomizo Jinno

映像制作マンが多焦点眼内レンズを入れたら(その後のその後)

Updated: Sep 19, 2023

視力は商売道具

映像制作を仕事とする者にとって、商売道具でもある視力を守るため、2020年の春、両目を多焦点眼内レンズに替えてから、ちょうど3年が経過しました。最終のブログ記事(映像制作マンが多焦点眼内レンズを入れたら(その後))が、術後半年くらいの2020年9月2日で終わっていて、その後の経過が気になるというメールをいただきましたので、僕自身の記憶の整理もしたいので、つらつらと書き出してみようと思います。 あくまで僕の目に起こった事実であり、その事実が何に起因しているかは僕にはほとんど分かりませんので、僕に起こったことが誰にでも起こるわけではないと思います。誰にでも起こるなら・・・かなり問題ですから。 ①見え方の変化 いわゆる「視力」は変化ありません。一時期、右目が見難くなりましたが、その理由は後述します。また「見え方」も変化ありません。ただし、「ハロー・グレア現象」については今(午後3時の日光が入る部屋)「あれ?どうだっけ?」と思うくらいですから、「あらゆる光源がニジニジと輝き、光源の周辺には核になる象(光源)の周辺に、滲んだような輪が同心円状に重なるのだ。」なんて思っていたことが、今は気になりません。もちろん、ニジニジが無くなったという意味ではなく、気にならなくなっただけです。近いところも遠いところも眼鏡なしで見ています。 ②コントラストの低下と輪郭の複線視は映像編集に影響しているか この辺の見え方も、術後半年間のブログで書いていたとおりの状態が継続していて、今も変化ありません。 僕は主力機PowerBook Proを待ち歩いているので、対策として、オフィス、自宅、別宅に大型モニター(解像度4K)を常置し、解像度を目一杯まで細かくして、必要に応じて細部を拡大してチェックしています。 ③「眼精疲労」を感じない 眼内レンズを入れる前は長時間目を使うと必ず有った、いわゆる目の奥がズキズキするとか、ドーンとする「眼精疲労」は、術後の生活では経験したことがありません。何時間作業していても平気ですが、さすがに夕方には肩が凝ってきて、頭部への血流が滞る感じはあるので、意識的に休憩を入れストレッチをしています。 ④網膜剥離と黄斑上膜で硝子体手術 実は多焦点眼内レンズを入れる手術をしてから、2021年5月(つまり1年+α後)に両目の網膜剥離がおこり、左目:硝子体手術、右目:レーザーのみの手術を行いました。これが多焦点眼内レンズを入れたために起こったのかどうか因果関係はわかりません。そして2022年7月には右目の見え方の悪化が気になり(飛蚊が増えたのかなと思って診てもらったら)「黄斑上膜」が形成されていることがわかり8月に、硝子体手術で膜を除去。術中に小さな網膜剥離もあることがわかり、これも貼り付けてもらいました。


⑤飛蚊一掃! この2回の硝子体手術によって両目の飛蚊がほぼ一掃されて視界が気持ちよくなりましたが、右目の黄斑上膜の除去時にどこかを傷つけたのか、視野の真正面中心部から少しそれた場所に小さな視野欠損ができ、今も修復されないので、これはたぶん生涯残るものと思います。普通に両目で見ている限り気付きませんが、カメラのファインダを覗くと明白になります。僕はカメラマンではありませんから生活はもちろん仕事にも影響はありませんが、この手の手術のリスクとして覚悟は必要なのだなとは思います。眼内レンズ挿入のための手術で、黄斑上膜のような目の奥を触るわけではないと思いますので、このようなことは心配無用ではないでしょうか。

⑥ドライアイの原因がわかった! 実はここまで書いてきたこととは別な大きな症状として、眼内レンズ以前からあった「ドライアイ」がひどくなったことがありました。 毎日、夕方近くなってくると徐々に違和感がひどくなり、夜9時くらいになると、しょぼしょぼになってきて、目を開けているのが辛いほどでした。「これは酷いドライアイだ!」と思っていましたし、眼科医も目を覗き込んで、ジクアスなどの潤滑系の目薬を出してくれていました。 そのほか、朝起きたばかりの時間(30〜60分くらい?)は目に映る画像のぼやけが(3焦点の画像がずれているようなイメージ)大きく、光量が足りていないと感じるため、新聞は手許照明を点けるか、天眼鏡を用いて読んでいました。この感じは日中になると解消するのか、慣れるのか、感じなくなる、というものでした。

それが!この夏前のある日、いつもの眼科医の代診で診てくれた眼科医が「あ、これはマイボーム腺梗塞」ですよ。と言って、実際に画像に撮って油分が固まったつぶつぶが上下の睫毛の付け根に連続している様子を見せてくれました。涙は水分が蒸発しないように表面に油がのっていて、その油を分泌しているのが睫毛の付け根にあるマイボーム腺だそうです。その腺が詰まって油分がでないため、水分がすぐに蒸発してしまい、ドライアイになるというわけです。今思えば僕の場合、そのつぶつぶが眼球に触れていたのか、目の周辺の汚れた皮脂が目に入っているような不快感でした。

眼科医が、その場でつぶつぶをクリーニング?してくれたら、なんとスッキリ!! 「さいきんアイシャンプーという商品が市販されていますから、自分でもできますよ」というので、すぐさま購入して帰りました。それ以来、数日に1度くらいアイシャンプーするだけで、あれだけ悩まされていたドライアイの不快感から7割がた解放されたのです。まあ100%ではありませんが、しょぼしょぼして目が開けていられない(辛いので早寝してしていたほど)という状況から解放されただけでも、めっけものです。


といったところです。

網膜剥離も黄斑上幕も、ほっておくと大変ですが、気づいたらすぐに対処すれば、多くは治療方法がありますので、ご安心を。

参考になれば幸いです。



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