動画は短尺であっても音楽は3曲以上使う

1曲で終わるドーガ
最近の「動画」は1曲の音楽で終始する場合が多く、1作品の中で何曲も曲を使うことが少なくなりました。僕もクライアントからの要望で「できるだけ短く」と要請されることも多くなりましたので、勢い使用する曲数も減りました。

 

10-20分が当たり前だったVideoPackage

以前の企業映像(Video Package=VPと呼ばれた)は10分から20分程度の尺を持っていましたので、視聴者を飽きさせず、ストーリーに入り込んで視聴してもらうために、選曲は重要な要素でした。予算がある作品では作曲家に作曲をしてもらって、プロの演奏や唄を録音して映像にアテることもありました。

 

選曲はシナリオに合わせて

尺の長い映像のシナリオは、数分の動画とは異なり、起承転結をハッキリもっています。選曲(作曲)はそのシナリオの起承転結要素を読み取って(時にディレクターの指示で)、曲を探し、更にその曲を映像シーンの起伏に合わせて編集して、映像に貼り付け(タイミング合わせて)ました。

 

職業作曲家という仕事

ところで、数年前に佐村河内某という作曲家が偽作曲家で、実際に作曲していたのは職業作曲家の方だったという事件がありました。作曲家も職人の域に入ると、指定されたイメージにピッタリの音楽、しかも大ヒットするような曲を作ることは朝飯前なのだと再認識しました。

 僕も若い頃は楽器(E.ベース)を弾いていたので、音楽を仕事にしている先輩からは「ヒット曲を書くことなんか簡単なんだよ」という話はよく耳にしました。当時コマーシャルソングを立て続けにヒットさせてた歌手(兼作曲家)のことなど、ボロカス言っていました。大事なのはオリジナリティだと。

 

話が脱線しちゃいました

映像のための音楽を選曲・探す時、ただ闇雲に探しているとちっとも見つかりません。ところが、プロの選曲屋さんは、どういうジャンルから、どんいう階調で作曲されていて、どういう楽器で演奏されている曲を使えば、その映像に合うかをササッと結び付けられるので、そう時間は掛かりません。職業作曲家と同じレベルの音楽の知識とスキルを持っているからです。

ご承知の通り、楽曲というのはそれぞれ、多くの人が共通に抱く感情・印象(ときには風景も)=「曲想」を持っています。そういう知識をアカデミックなレベルで習得していて、曲想の分類を細かく頭の中に入れているからこそできる技です。

 

映像と音楽は切っても切れない関係

映像の背景に流れる音楽は、映像のストーリーを補強したり、時に逆説的に意味を発生させたり、というとても大きな役割を果たしていますので、映像にとって音楽・選曲はとても重要な要素です。選曲という仕事は、シナリオを読み取るチカラやドラマツルギーの知識にも長けていて、時にはシナリオライターやディレクターが気づいていなかった伏線さえ見出してくれます。そういう人のことをプロと呼びます。

 

絶滅寸前の職業選曲家

最近では尺が短く、1曲で終わってしまうため、映像作品の選曲屋という仕事は絶滅危惧種に認定されています。このことは逆をたどれば、映像のシナリオを書くという仕事も絶滅に瀕していることを示しています。

 僕は例え3分の動画であっても必ずシナリオを書きます(描きます)。そして楽曲も3曲は使用します。(クライアントから1曲で、と厳命された場合はのぞきます)。

 

起転結くらいは欲しい

3分の動画も、起承転結まではいかなくても起転結くらいは無いと、長く感じて、観ているのが辛くなります。シナリオがちゃんとあれば、10分でも20分でも観たくなるものです。

何度も書いていることですが、「どうせ観ないからできるだけ尺は短く」というのは、シナリオの無い映像の場合です。いくら美しくても、オムニバスのようにただ風景やシーンを繋いだ映像は1分でも長く感じます。

 

提案!

とても逆説的な方法ですが、「3分尺であっても曲は3曲使うこと」

3曲はもちろん異なる曲想です。

これを守って制作(編集)してはどうでしょうか。

映像にもシナリオが自然発生します。

3分は必然的に長く感じない作品になるはずです。
 

 

 

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