完成を見ない動画・映像企画コンペ

陽の目を見ない企画案
題材や訴求テーマ、切り口が先に決められている(オリエンテーション時に指定される)企画コンペで、よくあるのが、実施段階になって暗礁に乗り上げて、事業が止まってしまうこと。

 

どうしてかというと、もともと提示された切り口で構成するには、どうしてもその企業や商品には足りない要素があって、それでも強引に制作を進めていって、いざシナリオ化してみると、「なんか足りないな」となって、どうしても足りないものが見つからないくて足踏みするから。

 

高級じゃないものを高級にしたい

例えば、「高級」イメージにしたいと考えたけれど、そもそもその商品が高級っぽくない時。ならば、と周辺に高級感を醸し出す要素がないかと探してもても、やっぱり見つからない。無理やり音楽やナレーションで高級感を詠おうかと考えてみるが、どう想像しても滑稽だ・・・。

 

ちょっと例えが平板でしたが、簡単に言えば、そもそも映像化したい題材自体が持っていない要素を、いくら映像にしたくとも、映像化しようが無いということが言いたいのですが、わかっていただけるでしょうか。

無いものをあると言えば、嘘がどんどん露呈していく、怪しくなっていく性質を持っているのが映像です。映像はとっても正直なんです。

このことは映像の企画を考える上で、大変重要というか、根幹を成すことだと思うので、オリエンテーション時点ですぐに気が付き、指摘するのですが「そういうことで決まっていますので」。

どうも昨今、対象の性質をよく見ずに「やってみたかった企画」を、無理やりその仕事で実現してみたいと考えるご担当が散見されます。もちろんご本人は「無理やり」とは考えていないので、そのアイデアを「はい、できます」と言ってくれる制作マンを探すのです。

 

嫌われ者

僕ら経験が長い制作マンは、要望や状況、情報を聞かせてもらえば、その企画が実現可能か、どこに課題があるかは大方、想像が付きます。僕は生真面目なので正論をさらっと口にしてしまいます。こういう場合「難しいですね」とか、「条件をこう変えるといいですよ」とか進言するのだけれど、プロダクション経験が浅い制作マンや、そもそも自分でシナリオを書いたり、演出をしない人は、「これは無理だ」ということに気づかないので、サラッと「大丈夫です。是非やらせてください!」と言ってのける。

で、めでたく受注をするのだけれど・・・。

 

現実はそう甘くはない

「なんとかなる」ということは、やっぱり無いので仕事が止まります。

あるいは、そもそも「変だな」とも思わず制作が進み、できあがった作品の内容が「なっていない」ことにも気づかず、なんかよくわからない映像で納品まで行ってしまうという事例も目にします。

企業の担当者、制作マン、双方このくらい無責任な人たちだけで進められた仕事というのは可哀想です。その会社の経営者(株主?)も可哀想。

もちろん、その報いは企業やステークホルダーがうけることになるのだけれど。

 

時代

ノーと言わない。

間違いを指摘しない。

耳に気持ち良い言葉ばかり聞いて育ってきた人が、どんどん増えてきているのだな、と思う昨今です。
 

 

 

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