映像を企画し制作する者の心得は「色即是空」

「空」
言わずと知られている般若心経の大テーマ。

薬師寺の村上太胤管主は、これを「かたよらない心。こだわらない心。とらわれない心。広く広く、もっと広く。これ般若心経、空の心なり」と、とてもわかりやすい言葉で広く市井に教えています。

 

目に見えるものに拘泥するのが映像業

B2Bの映像制作という仕事は、「目に見えるもの」を画像として捉え連続させることで映像作品に仕上げ、お金をいただいています。

しかし、こうした仕事に何十年にもわたって毎日携わっていると、自分が制作した映像を見た視聴者が「目に見えてないもの」を感じ取っていることが身に沁みてわかります。

 

目に見えるもので、目に見えないものを見せる

いえ、身に沁みてわかりますというより、それを意図して作っていますから、「目に見えていないもの=感情」を感じさせてこそ、成果であり、クライアントからは評価をいただきます。映像のチカラというのは、そういう力です。

 

感情を喚起するのはリアリティ

僕はよくメディアリテラシーのことを人に話しますが、語弊を恐れながら言えば、メディアコンテンツを企画したり制作する人間は、視聴者が抱く感情を推測しながら、巧みにリテラシーの「裏をかく」ことが仕事です。創作であることを意識させずに見せることで、視聴者の心は動きます。

映像制作者にとって大事なことはリアリティ。一瞬でもリアリティを欠いて視聴者を白けさせたらそこでお終いです。

 

創作だからリアリティは要らない?

CMであろうがドラマであろうが、視聴者は創作であることなんてわかっているからリアリティなんて必要ない、という人がいます。それは僕は大間違いだと思います。どんなに荒唐無稽な舞台設定であっても、たとえ破茶滅茶なコメディであっても、そこに人間が登場するかぎり、人の心理までフィクションにしてしまっては視聴者はシラケて入り込めません。もちろん事実を捻じ曲げて描くなんて話になりません。

 

話を戻します。

言ってみれば、映像制作業は色即是空の教えの真逆、俗世の煩悩(モノやコトの画像)を掻き混ぜて人の欲望を喚起するような仕事。このことを、僕らはちゃんと理解した上で仕事をすべきです。

 

視聴者の心をあざむかない

視聴者が一様な性格をもった人々であるわけがありませんから、どんなに誠実に創作したところで100%誠実であることなど幻想です。しかし、それでも誠実であり続けようという姿勢が大切だと思います。

 

いまいちど肝に銘じたい色即是空

もし、僕ら映像制作者の心がかたより、ものごとにこだわり、とらわれていたなら、そこから生まれた映像を見た人々が、それが事実かのように受けとったならば、社会、世界はどうなるでしょう。

「かたよらない心。こだわらない心。とらわれない心。広く広く、もっと広く」

この言葉を、僕は仕事でも日常生活でもいつも心に置いて、相手の立場や生い立ちを想像して、できるかぎり理解に努め、人に対して誠実でありたいと願って生きています。

(実践できていないかも知れないからこそ書いてます。ツッコミご容赦!)
 

 

 

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