特機を使うとどうして映像が変わるのか

特機の代表格と言えばクレーン

劇場映画撮影や大掛かりなステージイベントの撮影、中継時に使われる、あのシーソーのような道具がカメラクレーン。カメラと一緒にカメラマンが棒の先に乗っかっていたりして、反対側に錘がついていて、2人がかりくらいでカメラを上げたり下げたり、回したり。おまけにそれがレールに乗っていて行ったり来たり・・・。

こういう撮影時のカメラの動きをアシストする機材のことを「特機」と呼びます。広い意味だと発電機なども特機と呼ぶことがありますので汎用用語ではないことをおことわりしておきます。

 

どうして撮影に特機を使うのか

言うまでもなくカメラマンの手持ちや、三脚に固定している状態では得られないカメラワークが可能になるからです。

では、何のために使うのか。

いちばん大きな目的は、普通の人間の視点では得られないポジションやスピード、動きの映像を安全に安定した(揺れがない)動きで撮影することです。

大きな建物や固定されているモニュメント、壁に掛けられた絵画などを描く時に、カメラが移動することによって、視点を連続的に変化させながら、対象を様々な角度から見せることもできます。

また、視点が移動することによって、その映像空間に誰かが居ることを感じさせる演出的な効果も得られます。

簡単に言えば、単調な映像に非日常感や変化、驚きを加えるのが特機の役割です。

 

ひと昔前までは特機は特別なものでした

高さ◯メートルにもなるような大きなクレーンを使った撮影をするには、道具を運ぶトラック、スタッフが必要で、組み立てるのにも時間と労力が必要。当然それだけ予算もかさみますが、なによりも手間が掛かりすぎて、1カットのために下手をすれば1日がかりなんてことになりかねないのです。1日の撮影カット数が稼げないということは、役者やスタッフの拘束も長くなってこれも予算がアップする要因になるわけです。

つまりクレーンを使う撮影などというのは、よほどの予算と覚悟がある時しか実行しないものでした。

 

カメラの小型化、高解像度化

ところがカメラが小型、軽量化されることでクレーンもどんどん小型化。小型化すればクレーンの先にカメラマンが乗る必要もない。

また、実は映像の画面が高解像度になったことも、こうした視点移動した映像をエキサイティングなものにしているかもしれません。やはり高精細な画面の方が移動撮影映像のダイナミズムを効果的に表現できます。

かくして、激しく大きな動きを見せられるクレーンだけでなく、小さな幅をジワジワ移動させたり、手持ちカメラだけど揺れない、など小技の効いた移動ショットが撮影できる道具(特機)が、民生機(非業務用)価格で普及してきました。

プロの現場でもアタリマエになってきた特機たち

当社の仕事の現場でも大活躍しています。

 

タイヤドリー。これは昔からあったけれど、あれこれ進化しています。

 

スライダー。小幅な動きながら、映像の品位を俄然グレードアップ。動きを安定させる回転錘がついてたりして、これかなり優れもの。

 

ジンバル。手持ちであることがわからいレベルになっています。

 

ミニジブ(ミニクレーン)。手持ちに近い縦横前後自在な移動を、安定的に作り出します。

 

これら以外にもいろいろありますが、こうした特機を使った撮影は、映像にバラエティーが生まれますが、小型とは言え、三脚固定で撮るよりははるかにセッティング時間が必要なので、香盤表の進み具合を睨みながら使わないと、1日の撮影が終わらないことになります。

また、編集時に移動ショットの連続ばかりでも疲れるので、使い所も考えながら利用することが大切です。

 

この他にも最近ではドローンも特機の定番になりました。

もちろん本物のヘリコプターによる空撮も、まだまだ需要があります。

 

企画や演出、ご予算とご要望との兼ね合いで、こうした撮影も積極的に取り入れて映像制作しているプロダクションが、株式会社映像設計です。

 

 

 

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