映像制作会社にとってのドローンとは

おっ!これは空撮に使える!?
5年くらい前だったか、それを初めて目にしたのは、海外に滞在する友人のFacebookだったと思う。職業柄すぐに「これで空撮できたら画期的だよな」と、直感的に思った記憶があります。当時はクワッドコプターと呼ばれていたように思います。

 

瞬く間に空撮業者が乱立

やがて日本に入ってきた時には、しっかりムービーカメラが搭載されていました。みんな考えることは一緒です。WEB上には海外で制作されたドローンのダイナミックな映像が数多く投稿されていましたから、それを観て「おお、スゴイ」と感激していると、国内でも1,2年前からドローンを使った空撮を請け負う会社が次々とできてきました。

 

様々なリスクを考えて近寄らず

僕も一瞬は頭をよぎった「ドローン空撮を仕事にする」という考えですが、すぐに様々な課題やリスクが頭に浮かび、実現する方向には向かいませんでした。

いちばん大きな課題は、やはり危険性をどう回避するか。いちばんは人を傷つけるという危険性ですが、建物や構造物、特に電線に衝突させた場合の賠償問題も大きな障害です。B2Bの映像制作を行う私たちは、必ず発注者である企業や担当者の方の命によって動いているという立場があり、ひとたび事故が起これば施主さんに多大なるご迷惑をお掛けすることになります。なによりも、すぐに法律の網がかかって仕事に制約が生じると思ったのが、いちばんの理由でした。


危険性を感じない状況でのドローン映像は面白くないというジレンマ

危険性を回避するということは、ドローンという機材の特性上、「おもしろい映像の撮影はなるべくしない」というジレンマとの戦いにもなります。

ドローンでの撮影の醍醐味とは、ヘリコプターやセスナではできない空撮(を安価に)ができるというところですが、地面すれすれとか、被写体すれすれの移動ショットが撮れないならば、いくら空撮映像であってもそうおもしろい絵にはならないのです。

地面すれすれ、頭上ギリギリの撮影は当然危険を伴いますので、いくら操縦の技量があっても危険を冒すわけにはいきません。

超広角レンズならではの大きな制約

さらにドローン撮影では視聴者が画面の揺れをなるべく感じないように、カメラにはずいぶんな広角レンズを装着しますから、被写体と距離があると、ちっとも面白くありません。逆にスピード感を持って被写体に急激に近づき、離れていくような絵は非常にダイナミックです。

 

建物や野山の空撮はすぐに飽きてしまう

結局撮影できるのは、建物の外観であったり、畑や野山ということになり、学術的な利用ならばともかく、シナリオ、ストーリーがある映像作品の素材としては数秒から数十秒が使える程度です。

ドローン撮影は少々高くてもちゃんとした会社に頼む

その辺をよく知っているドローン撮影業者さんは、実に周到な体制を整えて、可能な限りおもしろい絵を撮ってくれます。

まずは小型で安価なドローンでテスト撮影を行ってアタリをつけた上で、本格的プロ用のドローンで撮影。しかも、本番用の機材は必ずもう1台以上バックアップを準備して臨む。もちろん様々な免責事項や保険についても、周到な説明を行った上で、しっかりと契約書を交わします。安全上リスクが高い条件や、天候などで飛べない時は、はっきり「飛べません」と断ります。

勢い、数十万円から百万単位の予算が必要になりますが、業務として請け負う以上、こうした体制や契約書は大切だと思います。


タダより高いものは無い

最近ではドローン撮影を請け負う業者も乱立気味で、おもしろそうなイベントが予定されていると、お仕掛け営業で「タダでいいから撮らせて欲しい」と言うそうです。そうした時は、きちんと責任や著作権関係を契約書にして、肖像権やプライバシーについても事後に問題にならないように、注意が必要です。万が一、事故を起こした時の責任の所在は最低限、明確にしておくべきでしょう。

 

 

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