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  • Writer's pictureTomizo Jinno

映像制作業における最近のお客様の傾向(その3・低予算)

ブランドに対する意識の変容

ブランドとは、日本語で言えば「のれん」あるいは「看板」。

のれん・看板とはその仕事、会社、商品のプライドを象徴している「記号」に他ならない。

ではプライドとは何か?

同業者、同業他社、類似用品と差別化される機能、イメージ(印象の良さ)を有しているという「認識」である。


記号と認識

このふたつを守ることがブランドを守ることになる。

記号というのは凡そ視覚化された形状や色使いが、一定のルールによってカタチづけられたもの、すなわちデザインである。

いっぽう認識には2つの要件があり、ひとつは「デザインに結びつく特定の会社、商品」である、もうひとつは「優れた機能性を有しているという信頼」

つまり会社(ないしは事業、商品)を象徴する「デザイン」「優れた機能性」がブランド力となる・・・わけだ。


ところが、昨今

「デザインはそこそこ」「必要な機能だけでいい」時代。

「なんでもかんでも低価格化」時代に対応するには、企業は大プロジェクトでホームランを狙うのではなく、絶えず小さなプロジェクトを放ち続け、ヒットを狙い、打率で勝負を賭ける。そんな時代の広告は、ブランド訴求をするよりも、機能性と低価格を素早く周知してもらう行動に走るわけだ。


BtoB映像もしかり

ひと昔し前は、数百万円、数千万円を掛けた映像制作予算も今では大企業でさえ50万円100万円といった予算を提示することもある。

「この予算で○○○自動車の映像をつくる!?」

と驚いていると、そのうちネットにその予算で作られたと思しき映像が見つかる。

思った通り、訴求目的は果たしていても、往時のブランドテイストはまったく無視されている。


低予算、短納期

これらの命題に応えるために、のれんとしてのプライドは捨ててしまう。

でもよく考えて欲しいのは、その低価格商品は、あの一流企業がつくって売っているから売れるということを。つまり、かつて培ったブランド力があってこその売上なのだ。

かくしてブランドを減損しながら継続する企業活動は、いつまで持ち堪えられるのだろうか。


ありゃりゃ、なんだかタイトルから道が逸れてしまったようだ。

ご勘弁ください。でも言いたいことはわかるよね?



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