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  • Writer's pictureTomizo Jinno

映像制作マンが多焦点眼内レンズを入れたら(その4)

Updated: Sep 12, 2020

両眼が多焦点眼内レンズに置き換わった

先週の右目に続いて昨日水曜日の午後、左目の置換術を終えた。

術前1度目の手術の記憶があるから、むしろちょっと怖かったが、実際の手術も怖さは先週よりも強かった。これは人間心理によるものだと思う。


僕が手術してもらったクリニックは、ほぼこの眼内レンズ置換術とLASIKを専門に行っているようで、施術日は水曜日午後と決まっている。

先週もそうだったが、今週も10人が13時に集められて、受け付けた順番で術前検査が行われ、10名の検査が終わると、手術自体の順番は予め決まっているようで、その順番にドクターの診察を受け手術の可否を最終判断してもらう。結膜炎に罹っているとか、傷があるとか、何か問題が見つかると中止したり、延期したりするのだろう。


ちなみに、僕が手術を受けたクリニックでは、遡ること2ヶ月くらい前に診察を受け、さらに別の日に、手術の適合性を確かめるため、かなり入念な術前検査を行った。10通り以上の数値データや診断画像、血液検査。また心電図、胸部X線検査のデータも併せて全身の健康を確かめた上で、手術の可否や適合するレンズの選択を行い、適合する術法について、そのインフォームドコンセントも非常に細かに行ってくれた(検査と説明で4時間くらい掛かったかな)。手術を行うかどうかは、そこでの合意がなければ次のステップには進めない仕組みになっていた。


さて、実際の手術だが。

10人の患者は術着に着替えると、「流れ作業」のように、場所と部屋を順番に移動しながら、手術室に近づいていき、そして手術室に入る。もちろん自分で歩いて入る。

手術台の周りは、前の人の手術の布陣そのままに、オペをするドクターがベッドの頭のところに椅子に座り、3〜5人くらい(よく覚えていない・・・)の看護師さんが取り囲んでいる。「はい、次の方いらっしゃい」てな感じで待ち受けていた。


手術するドクターは、診断のドクター(院長)よりもかなり若かった。やはりこうした細かい指先作業は目が良くて、手先も細やかに動く若手の方がいいのかも知れない、と勝手に信じることにした。


歯医者さんの椅子に似たベッドが始めから背もたれが倒れていて、そこへ自分で横たわる。

施術する目の側に顔を倒すように言われ、そうすると何かの液を施術側の目を洗うように目に浴びせられ、拭き取られる。そして施術しない方の目は覆いが被せられ、手術する側の目にはまぶたを閉じないよう、何やら「タガ」が嵌められると、もう目は閉じられない。

ここから先の順番はよく覚えていないが、麻酔は瞳と眼球内にだけは効いているが、体はもちろん頭も明瞭、眼球も動かせちゃうので、「真上を見たままぜったいに動かさない」と言われれば言われるほど、動かしたくなる衝動に駆られ困った。

目の手術で麻酔をかける、というのだから何にも見えない(まっくら)の世界で行われるのだろうと、漠然と思っていたが、なんと丸見えなのだ。


白く光る太陽を見ながらされる手術

準備ができ無影灯が頭上にくると、施術する側の目で見えるのは太陽のコロナのような(ただし真白ないしは青白い)眩い光の玉が中心にあり、周辺も明るい光がもやもやしている。

眩しいこと夥しい。

針の先が何度も目の中に差し込まれたり、液体が注がれたりするのを目撃しながらの時間は、たぶん10分に満たないくらいだと思うのだが、あれ以上長いとたぶん発狂するかも知れない。眩い光が施術の進行とともぐにゃぐにゃ形が変わり、手術の終了と同時に、光が固定して「あ、先生の顔が見えた」とホッとするのも束の間、眼帯が被せられる。

もちろん麻酔が効いているから痛みは無いので安心いただきたい。

ただ恐ろしかっただけ。


手術が終わると、自分で起き上がって、看護師に付き添われて控室(このクリニックではカーテンで仕切られたスペースにマッサージチェアが置いてあり、そこが控えの間)でしばし休息。10分くらいすると血圧を測るのだが、これが術前よりも高いと「もう10分」という感じで、血圧が問題ない範囲に収まるまで休むことになっているようだ。僕は血圧が上がりやすいたちなので、前回も今回も術後20-30分くらいで「はい帰っていいですよ」となった。


さて、両眼が入れ替わり、左目の眼帯を今朝取ったわけだが、その感想は・・・。

やはり、手術してすぐのレンズは、視界に映る像の「滲み」が激しい。先週の右目については、かなり改善されてきているので、この滲みはたぶん日にちぐすりだろう。


右目の時は「色温度が違う!」と驚いたが、どうやらあれは瞳孔を開くために目薬の影響が大きいようなので、今日左目も置換を終えてみると、(以前と色が変わっているのかも知れないが)色相については問題はなさそうだ。


ちなみに、今日測った左目の視力は、遠方が1.2、近目が0.7である。

先週手術した右目は遠方が0.9、近目が0.4。

ありゃりゃ、右目が落ちているじゃないか・・・。


今実際に両眼で世界を見ているのだが、左目は瞳孔緩め薬がまだ効いているので、なんだか気持ち悪い状態。でも、すでに老眼鏡かけずにこの文章が書けているわけだし。

まあ、そのうち良くなっていくだろう、そんな気分ではある。


さあ、映像制作会社の人間が多焦点眼内レンズ置換術を受けると、仕事にどう影響するのか、しないのか。これからが楽しみだ!? このトピックス「映像制作マンが多焦点眼内レンズを入れたら」→ 一覧


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