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  • Writer's pictureTomizo Jinno

複雑系映像コンテンツ

このブログを書いている私、(株)映像設計代表は昨年同様、今年も8月後半から11月に掛けては、とあるメーカーさんのプライベートショーのための映像を制作しているため、ブログを書く暇(いとま)がありません。 今日はようやく折り返し地点まできた感じなのですが、この間にも世間では様々な事件が起こり、社会の雰囲気もどんどん変化しているようです。 1日中PCに向かってて、勢いネットから目に入る情報がほとんどなので、日頃からネットバイアス思い切り排除モードで世間を眺めるようにはしているものの、最近SNSが日本人の意見をリードしている感がますます強くなっています。 「情弱」と「情強」 情弱とはインターネットをうまく利用できず、旧来からのマスメディアの情報を鵜呑みにする人たちのことを指しますが、対してインターネットを上手く利用して広く情報を集め、比較的公平なものの見方をしている「情強」の人たちにも問題点が見えてきたように思います。 倍速で映像を観る 言うまでもなく、優良な(これも決めつけか?)映像には「間」や演技、言葉の機微に演出意図があり、それも映像が伝える大切な情報です。これらを読み取らずに早回しで視聴することは、その映像作品の真の意図を受け取っていないことになります。 韓国ドラマ 最近では韓国でヒットしたドラマの焼き直しドラマを日本で制作する例が出てきました。これも決めつけてはいけませんが、傾向としてとても単純化したストーリーで、生身の人間の心の機微を無視したような展開が随所に見られます。でも「わかりやすい」ということで一定の支持を受けています。 読みが浅い 人はそんなに単純ではありません。複雑です。その複雑さ(リアル)を盛り込みながら、できるだけシンプル、ダイナミックに展開するのがドラマの醍醐味だと思うのですが、もともと人間洞察の浅いつくりをしたドラマからは、何も読み取るべき事がありません。日頃から「コンテンツ」というものに「意味深さ」を求めない傾向が定着して、コンテンツは「単なる情報」に成り下がってきました。

情報強者の弱点 話を戻しますが、「情強」の人々は情報を広く集め、一見視野が広いのですが、それぞれの情報が浅く、相関関係や歴史、背景、関連性に関する知識がありません。それにつけ込んで旧来メディアがSNSを取り込んで報道する姿勢を強め、さらにそこへネットメディアが互恵関係を結んだため、本来情強だったはずの人々のメディアリテラシーが混乱してしまっているように見えます。物事の理解が体系的に整理されておらず、ひとつひとつの事象を分断して単純に善悪だけで色分けしてしまい、それが同調圧力となって世論を形成しています。

複雑は面倒ですか? 広い知識は無くとも、ひとつのことを深く掘り下げる事で、社会の様々な道理が見えてくることも多いものです。私がつくる映像は一見シンプルなロジックでも、人の心の複雑さを捉え、視聴者を納得させるコンテンツとして、味わいのあるものでありたいと思っています。


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