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  • Writer's pictureTomizo Jinno

NHK「エマージェンシーコール」の感想に対する感想

Updated: Jun 9

ドキュメンタリー番組とは

一般的な定義でいえば、事実としてあった事、もの、人たちをカメラで捉え、録音した素材を切り取って再構成した映像プログラム、と言って差し支えないと思います。もちろんドキュメンタリーにもさまざまな手法がありますので、「再現」「証言」などが含まれていても差し支えないでしょう。 さて僕はこの「エマージェンシーコール」の放送をリアリタイムで視聴したのですが、歯に衣を着せずに(?)書けば「非常に不快な気持ち」で見続けました。あまりに不思議な作り方をしていたので、好奇心が勝り見てしまいました。どうして不快だったかというと、番宣のふれ込みがあたかもドキュメンタリー番組であるかのように伝えられ、しかも冒頭の「お断りテロップ」を見逃した上で、以下のふたつの要素です。 あからさまな吹き替えに感情移入できない 通報者の声がいかにもセリフ(原稿を読んでいる)でありながら、喋り方がリアル・シビアアクシデントを演出しすぎていて、嘘っぽく聞こえたこと。


いまどき「シネタッチ」はむしろヤラセっぽい 通報を受け捌く職員の映像も、今流行りのボケのシネトーンでドキュメント感を演出していたこと。 しかも「これ何カメ?」と思うような、カメラ割り、切り返し。この時期みんなマスクをしているから、もしかして映像も後撮りの再現フィルムで、職員の声も吹き替えじゃないのか?という疑念が湧きました。


お断りテロップ 2022年10月10日に放送された同番組では「プライバシー保護のため、通報は加工・吹き替えし内容を一部変更しています」とお断りてテロップを入れていました(僕は番組お終わりで初めて見つけた。ネットの書き込みをみると冒頭にもあったとう書き込みががあるので、見逃したかも)。 しかし、あにはからんや、同番組を視ての感想をネット上で検索すると、この番組をドキュメンタリーと勘違いして大感激した視聴者が大勢いたようです。


番組の装いがドキュメンタリー NHKのこの番組の番宣では「ドキュメンタリー」という文字は出てこず「ノンフィクション」と書いてあります。(番組のメタデータではジャンルは「ドキュメンタリー・教養」に分類されて表示される) 「ドキュメンタリーだなんて言っていませんよ」ということでしょうか。 いかにもドキュメンタリーっぽいつくりであっても、冒頭、中程で時折「再現によるものです」とでも書けば、視聴者は半分フィクションであることを理解して視聴します。 しかし「全部ドキュメンタリー」と勘違いさせて視聴させるという姑息な手はいけません。「みんなわかっていますよ!」ならばOKなのですが、ネットに広がる感想はどうやら違います。

こうした意図的な事実誤認誘導を是認する風潮が広がると、ディープフェイクが蔓延する世界がやがてやってきます。 みなさんメディアリテラシーを逆手に取った映像に注意してください! 企業映像によくあるやつです(笑



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