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  • Tomizo Jinno

NHK「どうする家康」にみるインカメラVFXの功罪

Updated: Jan 24

「鎌倉殿の13人」との違い 鎌倉殿は4Kコンテンツではあっても、ビデオトーンで描かれていたが、どうする家康は、かつて「龍馬伝」で散々な酷評をされたフィルムトーンである。龍馬伝からもう12年以上が経過していて、当時は「暗い」とか「汚い」と言われた世界観は、シネマの深みがあり「美しい」とか「リアル」とも言われるようになったが、今回のドラマは「映像美」どころではなく、シナリオも役者も制作も、いまだに試行錯誤から抜け出せておらず、小生はそろそろ視聴離脱したくなってきた。 LEDウォールのせいか? 別撮りした背景とスタジオセットでの役者の演技を合成するには、かつてはクロマキー(ブルーやグリーンの背景で撮影して、ポスプロ作業時に背景と合成する)を使用したが、このドラマではインカメラVFXという技術を使って、巨大なLEDパネルに背景世界を映し出しながら、その前で役者が演じている。鎌倉殿でもいくつかのシーンで使用したそうだが、家康の第3話までを見た限りではかなりの頻度で使用しているように見える。もしかしたら、この技術がすべての足を引っ張っているのかも?(あくまで「仮に」である)という考察をしてみる。 カット割りが良くない? インカメラVFXでは、ポストプロダクションよりも遥かにプリプロダクションに掛かる工数が増える。しかも脚本が出来上がってからしか作業は始められない。したがって背景の3DCG世界をつくる時間もコストもクリエーターの技術にも大きな負荷が掛かる。勢い作成するシーンの数にも制約が掛かる。また、ディレクターの演出はCGクリエーターのつくる世界観の中でしか活かせない。 あ、それとインカメラVFX収録ってカメラは1台しかだめなんですよね?これはマルチカメラ(複数台のカメラが同時に収録する)に慣れた役者にとっては、同じ演技を何度も要求されて非常に大きな負担になりますよね。また、そのことがカット数を抑える演出に繋がるかも。 役者に酷? 鎌倉殿では小栗旬、大泉洋、小池栄子らや、さらに脚本の三谷幸喜を含めたチームワークが画面に出ていたと言われたが、インカメラVFXを使用した収録は、そうした役者同士のあうんの呼吸を生み出しにくい環境なのではないか。(スタジオ見学したわけではないので根拠はない) 照明が難しい? 第3話を視ているとLEDウォール前で撮影しているシーンは必ずしも3DCG背景ばかりではなく、実写(にちかい)映像も使用していたように見えたが、やはりこうしたシーンでは特に照明を合わせるのが難しく、結局ポスプロ作業も加えて、その際に画像解像度(フォーカスが甘かった?)が劣化していたように見えた。 いまのところ、こんなところです。

テレビ連続ドラマで、オンエア日に追われながらこうした合成映像を作るという作業は、制作陣のストレスを想像するだに恐ろしいことです。「おもしろくする」以前の段階でオンエアするしかないのかも知れないとも想像します。

制作のみなさんが早く「こつ」「つぼ」を掴まれることを祈念しています。









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