Tomizo Jinno
B2B映像のあるある大辞典④撮影篇
データを消すのが怖い
今のビデオカメラやデジタル一眼カメラは、SDカードなどを記録媒体としているため、大容量のカードで撮れば1日1枚でも済んでしまうけれど、なにか記録トラブルが起こってデータが破損したりしたら、それまでの収録分もパーになっていまうリスクがあります。そのため、小容量のカードでどんどんカードを入れ替えていく、ということをやっています。そして、1日の撮影を終え帰社すると、すぐさまSDカードから外付けHDDなどの、他のメディアにコピーをしてバックアップします。特に重要なデータは2台のHDDにバックアップしたりします。
ところが、コピーしたんだからオリジナルのSDカードのデータは消去して構わないのだけれど、どうにも怖くて一気に消去する勇気がわきません。HDDが壊れたらどうしよう、間違って消しちゃったらどうしよう・・・、だから念の為SDカードもそのままとっておこう・・・。かくして、SDカードは編集、納品が終わるまで5枚、10枚と消去せずに持っている・・・なんてことが頻発しています。
素材が多すぎる!
カメラマンが撮影する横で、同時にディレクター、アシスタント、プロデューサーまでもが小型のカメラやジンバルカメラ、IPhoneなどで別角度から撮影している・・・なんてことは、あたりまえの風景になりつつある今。
収録がすべて終わるころ、ADが「あ、僕のこれもよかったら使ってください」なんて、データをくれたりする。ひとまずありがたくHDDにコピーしておくけれど。
編集作業というのは、素材が多ければ多いほどシンドいということは、誰もが知っていることだと思ったら大間違い、みんな素材は多ければ多いほど嬉しいだろうと勘違いしているに違いない。その上データ・フォーマットが違っていたりして・・・。
でも、案外そういう素材の中に思いも寄らない良い絵があったりするから、心は散り散りになる。かくして、編集時間は野放図に延長されるのである。勘弁してほしい。
