Tomizo Jinno
B2B映像のあるある大辞典③シナリオ篇
視聴離脱効果満点
「現代社会はますます情報化しており、日本社会ではIT環境の整備が企業の明暗を分けるに至っています。そんななか弊社では○○○○を開発して、みなさまのソリューションに貢献しています。」みたいな始まりで始まる企業ビデオが、今でもなんと多いことか!
そんなことではチコちゃんに叱られますよ!
こういう手垢がついた構文、言い回しを平気で書けるシナリオライターは、たぶん経験が浅いか、企業ビデオを舐めているのか!?
なによりもクライアントが希望しているのは、競合との差別化なのですから、他とよく似たことをやっていては駄目ですよ。
もっとストレートに
A.「この動作は、身体機能における能力の向上を実現する・・・」
B.「この動作は、身体機能を向上する・・・」
A.「スポットライトは、舞台にたつ役者を周辺の暗さから際立たせて、聴衆の注目を向けるために使用される照明器具であり・・・」
B.「スポットライトは、舞台の役者を際立たせる照明であり・・・」
ナレーションの背景の映像が、言いたいことをちゃんと映し出していれば、Aで書かれている細かい描写は不要です。どうしても小難しいシナリオの方が上等だと思っているライターもいるようです。(←僕は少々この傾向あるので、気をつけています)
接続詞はほどほどに
「では、次に」「それでは」という、順当に次に進む時に文の頭につけたくなるこうした接続詞ですが、「しかし」であっても「ところが」であっても、手慣れた映像シナリオライターになると、できるだけ使用しないようになります。映像がちゃんと編集されていれば、映像を視ていれば、その映像転換が「それでは」なのか「しかし」なのかはわかるはずだからです。接続詞が必要になるということは、映像の流れが甘いというか、構成が緩いということですので、いくらことばで「接続」を替えたところで、演出としては、ちょっと弱い表現になるはずです。
