- 名古屋WEB動画制作所 所長
「動画制作」には「映像制作」の基礎知識、基礎技術は無用なのか・・・
Updated: Jun 28
「動画制作」と「映像制作」
一緒じゃないか!
とご指摘を受けると思うけれど、僕は「動画」とはフレームの中が動いている画像はすべて動画で、写真をスライドショーさせただけのものでも、画面にの中に文字を羅列してスクロールさせただけのものでも、定点カメラで街の一角を捉えたでけのものでも、何でもかんでも動画であって、だからルールも基礎もなくて構わないと思っています。
だから、僕が映像ビジネスに関する話題で「動画制作」という言葉を使う時は、少々皮肉が入っています。
最近このホームページに新しいメニュー「日刊BtoB動画」を加えました。
国内でWEBにアップされているBtoB映像(動画)をネットサーフィンで探して、気になるものを紹介するフォーラムです。
1日1本(土日休日はOFF)を日課にして面白いBtoB動画を探すのは、少々大変です。
大変だという理由は、BtoB映像はその大半が一般公開(WEB掲載)していないので目に触れる本数が、そもそも少ないこと。
またWEBに上がっているBtoB動画は、そもそもWEBマーケティングを念頭に置いて企画、制作されているので、テーマ、ジャンル、切り口が偏っていて、そもそもコンテンツのバランスが悪い(一本調子が多い)。
そんな中から「お、これは新しい」「おう、これは上手い」「綺麗!」「面白い!」と、僕の独断と偏見で決めつけた作品を紹介しているわけです。
アマチュアBtoB動画が多い
すでに20本を紹介してきましたが、ネットサーフィンでBtoB作品を探していると、たぶん有償で制作してはいるものの、それらの99%はアマチュア動画で、プロの映像作品と呼べるものは希少です。
このフォーラムでは、製作技術は稚拙でも企画や目の付け所が面白い動画は紹介していますが、アマチュアがプロの真似事をしている動画は除外しています。
「プロを真似る」それは成長へのアプローチのひとつではありますが、大概その試みは、表面的な技法や構成だけ真似をしていて、肝心なポイントを押さえていません。
ネット上で「動画制作者」と名乗ってひとりでカメラから編集までやっている人たちの多くが、たぶん「独学」で動画制作をしているように思います。
今はカメラにまつわる道具も高度で安価、面白いカットが撮れる道具も多種多様にある。しかも編集ソフトにも様々なテンプレートがあり、それを使えば難なくモーショングラフィックスさえ挿入できる。音楽もWEBサイトから購入できる。もう、プロと全く違わない環境で仕事ができる。そういう環境で仕事をしていれば自分も一人前の作家になった気分になってしまうのかも知れません。
映像を創る技術(ソフト)が肝心
でも、いくら機材や環境が揃っていても、映像を組み立て、視聴者に届く作品を創るには、機材や環境よりも何倍も大事な技術(ソフト)を忘れてはいけません。
最近流行りのインタビュー構成の動画は典型的な例です。
カメラを向けて質問して、返ってきた言葉と顔を捉えればいっちょ上がり、なんて思ったら大間違い。相手はほとんどの場合素人さんですから、カメラを向ければ緊張して喋れなくなる心配がある。
だから予め質問を伝えておいてコメントを考えておいてもらう・・・。
こういう方法で上手くいく例は、あまりありません。
大概、予め考えておいたコメントは、ほとんど「セリフ喋り」になってしまい、その様子はさながら学芸会です。そもそもインタビュー構成で肝心なことは、リアルに喋り手の内面を感じさせることにあるのに、セリフを聞かせれた視聴者は白けるだけです。
そもそも企画のバリエーションを持とう
また、語弊を恐れずに書けば「顔の悪い人」のインタビューはやめたほうがいいです。
顔が悪いというのは美醜のことではなく、その映像で浮き彫りにしたい、その人の気質や意志に相応しい面構えのことです。
真剣に取り組でいる事、大好きで仕方が無いことを語る人の顔は必ず見る人を惹きつけます。
カメラを構えた時に絵にならない人をインタビューするのはやめましょう。
その人しかいないのであれば、そもそもインタビュー構成という企画自体を変更しましょう。
なんでもかんでもインタビューという企画はやめましょう。
勉強しよう
プロだったら、こうしたことを予め知っていて企画を提案するし、セリフ喋りにならないよう仕向けるし、その人のイイ面を引き出す質問をするし、編集する時も上手く言葉を繋いでいきます。
これらのことはみな「技術」です。
技術は教えてもらうか、自分で気付いて試行錯誤の上で身につけていくかしかありません。
独学で技術が学べないわけではありませんが、ものすごく時間が掛かってしまうし、そもそも頭が良い人でないと、経験を知識と技術に置き換えて向上していくなんてできません。
どうか、動画制作で食べていこうと思っている人は、ちゃんと勉強して技術を身に着けた方が、いい仕事(実績)が残せて、長くこの仕事に携わっていけますよ。