- 名古屋WEB動画制作所 管理人 神野富三
BtoB映像のナレーションの役割(その2)
Updated: Feb 3, 2020
予算の制約を受けやすいBtoB動画制作
BtoB映像というのはほとんどの場合、予算の制約がついてまわります。
そして、テレビCM以外はテレビ放送に乗らないことがほとんどです。
だからナレーターは誰でもいいや。
という判断は間違っている、というお話。
テレビ番組だって映画だって予算の制約が無いわけはありませんが、いちぶの大企業以外は企業映像にそんなに巨大な予算を掛けたりません。最近でこそインターネットを使った拡散(一般視聴者への露出)のため、ブランド性に考慮する必要がある映像もあるため、そこそこ予算をかける場合も出てきました。が、むしろ量産型動画に走ることも増えて、こちらも必ず「予算は掛けられない」と言われます。
コスト削減の矛先は
さて、映像制作を商売で行っている我々は、利益を出してなんぼであるため、出来る限りコストを抑えようとしますし、クライアントも「余計なところにコストかけないでね」と言われます。
ナレーターの質
そうすると、多くのプロダクションが最初に目をつけるのがナレーターと録音スタジオの費用。
タレント事務所の新人クラスのギャラが安い人を使ったり、素人さんにナレーションを頼んだり。
クライアントからも「うちの社員で喋りが上手い者がいますので」と言われることも、時折あります。
スタジオを使わない
そして録音スタジオを使用せずに、オフィスや応接室のような場所で録音しちゃうなんてことも。
これはテキメンに音声から反響音(部屋の壁などにあたって跳ね返ってきた音)が聞こえますので、予算が無い感が満載になります。
古くて安っぽい楽曲
同様に音楽の選曲も同じことが言えます。
手持ちのオリジナル曲のCD(著作権フリー)から使用すればタダだからと、ひと昔前の曲を平気で使用すると、これまたテキメンに時代遅れ感が醸成されます。
音声のコストダウンは駄目!
これらの音声関係のコストダウンは、絶対にやめたほうがいいです。
例えばオーディオ機器で言えば、ナレーターの品位を下げるとことはスピーカーの品質を下げるということです。音楽再生機器やアンプをどれだけ上等にしても、スピーカーをケチってしまっては台無しです。
つまり、どれだけ最高の映像が出来上がっても、ナレーターの品位が低ければ、その作品の品位はその声の品位にまで格下げされてしまうのです。
品位なんて関係ない?
そんなことはありません。ナレーターが下手くそですと伝わるものも伝わりません。ちゃんとスタジオで録音しないと、声が聞き取れません。音楽が安っぽいと悲しくて見てられません!?
どうせ社外の人は見ないから。と云います。
たしかに、ナレーターをケチってもたぶん何も問題は起こりません。
マイナー感も、外にバレなきゃ関係ない?
でも、ちゃんとした(質の高い)映像を作れ(作り続けれ)ば、伝えたいことはよく伝わるし、映像に映っている社員さんも、制作した社員さんも気分がいい。自分の会社もなんとなくちゃんとした、メジャーな会社のような気がしてくるのが映像というものです。
ナレーターをケチってもせいぜい数万円。
録音スタジオケチっても数万円。
楽曲ケチっても今どき数千円。
そこをケチるならば、むしろ構成演出を工夫して、シンプルな編集でコストを下げ、音声にはきちんとお金を掛けたほうが、その映像の総合的な品位は絶対に上がります。
ナレーターの格
ナレーターさんの技量には、はっきり言って「格」があります。
ナレーションのプロとしての格です。
この格差は、おなじプロを名乗っている人でも雲泥です。
一般の視聴者には無意識なレベルですが、この格差は映像の印象良否に大きな影響を与えています。
また、ナレーターさんの「声」の格も重要です。
やはり、よく聞く声と聞いたことが無い声では、よく聞く声の方がメジャー感が出ます。
ナレーション録音は奮発すべきところ
僕は映像が上手く出来上がった時には、少々予算オーバーであってもナレーターさんは絶対に上手い人、視聴者に届くナレーションを読んでくれる人を選びます。
そうすることで、その映像の品位は更にアップするからです。
BtoB映像のナレーターさんは重要なんです。
