• 株式会社映像設計 代表取締役 神野富三

映像が記憶する名古屋駅


JR名古屋駅の駅ビル・JRセントラルタワーズ、後の名をタワーズ。 筆者の個人的な感傷ではあるが、B2B映像制作のプロデューサーとしての私の経歴は、この駅ビルの施主・オーナーであるJR東海の発足と共に始まったと言ってもいい。

国鉄民営化によって1987年、JR東海が誕生。

同時に誕生したハウスエージェンシー・アド東海に対して、当時在籍していたプロダクションの営業として繁く通ううちに、鉄道、バス、駅ビルなどに関連する業務を受注するようになる。そしてある時、ようやくJR東海本体扱いのTVコマーシャルの制作を請け負うことができた。CMの最後に“ジェイアール東海♫チャーンチャンチャン♪”というサウンロゴが入るやつである。

この頃から、勤めていたプロダクションも町のビデオ屋さんから“映像プロダクション”へと格が上がり、成長していったが、バブル崩壊と共に大きな債務を背負って解散に至った。その直前に僕は独立して、今の株式会社映像設計を設立、今日に至っているわけだ。

今の名古屋駅界隈は、ミッドランドスクエア、ルーセントタワー、スパイラルタワーズに続いて、JPタワー、大名古屋ビルヂング、ゲートタワーなどの高層ビルの建設ラッシュと、JR東海のリニア中央新幹線の着工によって空前の活況を呈している。それらのビル群の裏手にあたる夜の名駅3丁目の道筋は、今や名古屋の新橋とも言えるような賑わいだ。

いっぽう、古くからの名古屋の中心街だった栄や錦3丁目は、どうにも人気の低落が止まらない様子である。

タワーズに高島屋が入居すると聞いた時は、誰もが名古屋駅の百貨店に高級志向は無理だ、と思ったものだが、この春には大名古屋ビルヂングには伊勢丹ハウスも開店し、今やショッピングの中心も名古屋駅に移りつつある。

世の移り変わりは誰にも予想ができないものである。

倉庫の棚からこの映像を探しだし、久しぶりに見たら、ついこの前の事と思っていたタワーズの完成が、もう17年の前、旧駅舎の解体からだと20年以上も前のことであることに驚き、更に解像度640✕480ピクセルという小さな映像の中で当時は仕事をしていたことを再認識して、映像制作というビジネスが大きな変化をした理由の核心がここにあるようにも思った次第である。

名古屋市港区にある「リニア・鉄道館」では5周年イベントを開催していて、その会場でこの映像やタワーズの建設記録映像などが流していただいているようです。


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