- 株式会社映像設計 代表取締役 神野富三
B2B映像制作会社と放送局ないしは放送局系プロダクションとの関係
Updated: Dec 29, 2020
放送局(系プロダクション)を名乗る人から電話がかかってきた 「いまうちで◯◯(企業名)さんの映像をつくっているんですが、御社が過去に作った◯◯さんの映像を一部使いたいんですよ。◯◯さんからは了解いただいていますんで!」
という電話が今日ありました。
電話の主は地元某民放系プロダクションのPかDか、はたまたADだかわかりません。
(Pはプロデューサー、Dはディレクター、ADはアシスタントD)
「素材貸し?お客さんが了解されているんならいいですよ」
と、弊社スタッフ。
これは社長である僕が、だいたいこういうオーダーには著作権を主張しないようにしているんで、スタッフもこれに倣います。
「じゃあ、どういう状態で欲しいですか?」「あ、そうすると編集素材を探してコピーするので、作業代だけください」
と伝えると、ここからとたんに相手の剣幕がおかしくなりました。
要約すれば
「お金は1万円までしか払えない」
「それはちょっと・・・(安すぎ)」
それはそちらの事情であり、こちらは機材拘束や人件費を伴う作業なのだから、相応の代金を請求するのはアタリマエと考える弊社スタッフ。
通常、古い作品の素材の引っ張り出しには3万円程度はいただきます。
(直近に制作した作品で、素材がまだ確実に身近にあるものなら1万円でもいいこともあるけど) 弊社の倉庫はちょっと離れてる 。
さらに、このお客さんの作品はずいぶん前に制作した作品なので、テープ収録かディスク収録か微妙な時期。当時のディレクターはフリーになって独立してるし。 テープにしてもディスクにしてもとっくに倉庫行きになっている。 まずそこまで探しに行き、山と積まれた段ボールからテープないしはHDDを探し出し、編集室に持ち込んでプロジェクトを開いてみないことには、まず素材が抜き出せるかどうかもわからない。この作業、素材レンタル業でいうと「蔵出し手数料」と言い、実際に素材を使おうが使わまいが掛かる経費。結構面倒くさくて時間がかかるのだ。 なにかの作業をしながら横目でできることじゃない。
さらに素材が見つかれば、そこからは編集機材とエディタースタッフを拘束しての作業料となるので、都合1時間程度の編集料金はいただかないと割が合わない。
さて、スタッフは常套手段で「上司(僕)と相談して電話することでいいですか」とひとまず退却。
で、だいたい状況は読めてたので、少し時間をおいて僕が電話する。
「恐れ入りますが△万円ほどでいかがですか?」と僕。
「普通僕らのまわりでは、こうした素材のやりとりはタダでやりますよ」と相手。
「私の周りではそういうことはありませんが」
「じゃあ、相手の専務に電話しますが、いいですか!」
わお!恫喝ですか!?
「もちろん構いませんが、今回弊社は著作権を主張しないことで十分誠意を見せていると思います。あなたがどのようにあちらに話されるかわかりませんが、弊社を貶めるようなことを言われたなら私も黙っていませんよ?」
と少しだけ語気を高めたら電話を切られました。
取引先や同業者仲間ならば融通きかします
たしかに、知り合いの同業者同士では映像素材の融通は柔軟に対応しています。お互い様だからということですが、それでも作業料金はちゃんと支払います。素材の状態によっては、けっこうな金額になってしまうこともありますが、それを値切るってことは、相手に損を強いるということで、そんなお願いできるもんじゃありません。
取引関係も無い弊社に
「普通タダですよ」とは開いた口が・・・。
正直に言っちゃいましょう。放送局のスタッフからの電話はこんな調子が多いんです。今回は局でもなくその子会社のスタッフ。
どうも局関係のスタッフは、放送局の名前を出すと相手がホイホイと尻尾を振ると思っているキライがあるので、昔から僕は局系の仕事はほとんどやらないんです、はい。
あーあ、書いちゃった。
「俺は違う!」という放送局の方お仕事ください。