- 神野富三(名古屋WEB動画制作所)
動画制作のジェネレーションギャップpart2
Updated: Dec 29, 2020
前回の記事(動画制作のジェネレーションギャップ)を上げ終えて、もう少し書き足りないことに気づいた。最近、広告代理店やPR会社の営業の方から映像(動画)制作の相談を受けると、よく起こる齟齬(そご)があります。
(僕)
新商品をWEB動画でPRしたいということですが、商品機能の特徴を伝えるとか、取り扱い方を説明するとか、主にどういった目的をお考えですか?
(営業さん)
いえ、お客様はYouTubeに動画をアップしてブランディングをお考えです。
(僕)
そうですか、お客様の会社のブランド力の向上でしょうか? 商品をブランド化したいということでしょうか?
(営業さん)
両方ですね。ですから、今回の新商品の使い方を色々紹介したいんです。
(僕)
あ、ブランディングではなく、取扱説明をしたいということですね。
(営業さん)
いえ、ブランドビデオです。
(僕)
???
ブランドビデオとは何か?
営業さんは「ブランディングのための動画」と言いながら「使い方紹介」をしたいと言います。僕らの世代は「ブランディング」と言えば、その新商品のコンセプトを映像デザインやメッセージに代えて、商品のプレステージをイメージ化することを考えます。ですからこの時、営業さんが言う「使い方紹介」というリアルな映像が、どうしても「ブランドビデオ」のイメージに背反してしまったのです。相手は同じ広告業界の人ですが、用語の意味をまるっきり違う捉え方をしていることになります。
取説ビデオでブランディング?
はじめのうちお互いの頭の中にある映像は、一向に同調しませんでした。
こうしたコミュニケーションが増えてきたのは、僕が単に歳をとってジェネレーションギャップが拡がってきたからでしょうか。
ジェネレーションギャップ?
言葉を積み重ねて探っていくうちに、どうやらこの営業さんのように、若い世代の広告営業では、「ブランディング=イメージビデオ」という、定型的な発想は無いのかも知れないことに気づいたのです。
それはどういうことか?
これは実は、前回の記事「動画制作のジェネレーションギャップ」と同源の意識ギャップだと思います。
自己申告のブランドイメージを信用しない
つまり、ブランディングするにしても、「どうだ、うちはこんなの高級なブランドなんだぞ!」と企業が直球でアピールする動画はインチキ臭いと感じるのではないでしょうか。実績も知名度も無い会社が、不釣り合いなブランド力を誇示しても、むしろ「お金にものを言わせる、怪しい会社」扱いされるのがオチのようです。メディアリテラシーが進化している若い世代には、もうこの手は通用しません。
真摯な企業姿勢をリアルに感じさせるWEB動画
で、例えば、愚直なまでの真摯な製品づくりや、消費者のことをとことん考えた機能などを伝える、ほとんどドキュメントに近い「リアルな動画」が、むしろブランド力を高める基盤となると若い世代は感じているのです。
「取扱説明動画」も立派な「ブランドビデオ」
もちろん、こうした価値観の変化は、昨今動画をスマホで視聴するのがアタリマエになり、洪水のように溢れてくる動画を、あっちへ行ったりこっちへきたりして、忙しく見まくっていることが影響しているでしょう。これもアタリマエですが自分が見たいと感じるものしか見ないのですから。
ことほど左様に、動画コミュニケーションは、直球、カーブ、時には直角球(なんだそれ?)、投げたフリとか、2コ投げるとか、あの手この手を使って視聴者の気を惹き付けなくてはならない時代なのです。あの手この手が欲しい時は、名古屋WEB動画制作所に相談してくださいね!