• 神野富三

動画制作のジェネレーションギャップ


1曲で済ませるなんてイージーじゃありませんか? YouTubeを見ていると、ほとんどの動画が音楽1曲で終始しています。これ、我々映像制作会社の人間から見ると、極めてイージーな仕事(「仕事」じゃないか・・・)と思っちゃいます。想像するに、映像より先に音楽があって、音楽のリズムに合わせて画をはめている様子。イントロもエンディングもない、曲想が頭からお尻まで一辺倒という場合も少なくありません。 これはつまり、

その動画には起承転結が無い、深い意味は無い

ということを意味しています。

さて、ここからが本題です。

意味なんて嘘くさい!

そもそも、映像(動画)に意味やストーリーを持たせること自体に嫌悪感というか、嘘くささを感じている世代がじわじわ拡がっているように感じます。

僕ら(オーバーフィフティーズ)の世代の映像屋にとって、映像は意図を伝えるためのものだから、流れの中にストーリーを盛り込み、視聴者に一定のメッセージを伝える、ということがアタリマエと思っていますが、若い世代であればあるほど、「意図を盛り込むのはダサい」と思っているようです。そういう空気を読み取ると、若者たちはすぐさま視聴離脱です。

映像屋は上を行くのだ

さて、こういう世相になってくると、僕らお仕事映像屋はその空気を敏感に嗅ぎとって「意図なんか盛り込んでませんよ〜」というフリをした映像をつくります。YouTubeに溢れている「音楽に乗せてかっこよく編集した動画」ならばオチャノコサイサイです。

でも、やっぱりお仕事には真面目な我々。実はメッセージはしっかり意図してあって、さりげなく演出してあります。その結果、ネットの書き込み欄には実際意図した通りの感想が溢れます。

「な〜んだ、結局みんな騙されてるじゃん」 なのですが、視聴者もこういう状況が継続すると、そのうち制作者の意図に気付くようになります。視聴者というのはいったんは映像(動画)騙されながらも、そういう映像(動画)を見慣れてくると、次第にリテラシーを高度化していくのです。そういうものなんです(なんだ、この説得力の無い言葉は!)

ですから、音楽1曲で気持ちいい映像を繋げて見せる、というアッサリ手法で「意図してませんよ〜」ぶりっ子している動画も、早晩その手は使えなくなるわけです。

さて、次の一手はどう打とうかな!?


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