Tomizo Jinno
読書と映像づくり(その1)
Updated: Jun 28
自分のための記録映像を除き、原則的に誰かに向けて、何かを伝えたいと願って、撮影したり編集するものだと思います。ですから、出来上がった映像作品には、つくった人の人格や技量が色濃く反映されている、と僕は思っています。
映像をつくることが仕事となれば、自身の全人格と知識、技術を駆使して「意図」を伝える方法を考え、実践します。僕は日々、そういう仕事をしています。
今朝自宅の書棚を眺めていて、そういう僕をつくった本を2冊思い出しました。
「人を動かす」
著者:デール・カーネギー
翻訳:山口博
この本、小学校4年生の時に家の近所の小さな本屋さんの書棚に並んでいて、どういうわけか目に入り、気になって購入しました。830円の定価とあります。1970年当時の小学4年生にとってのこの金額はかなり高額だったに違いありません。当時の自分が何を考えていたかハッキリは思い出せませんが、クラス40人強の教室では、成績はクラスで1、2番、体格も良かったので、いつの間にか「リーダー格」になっていた頃です。子供心にも先生の期待に応えようと、クラスの仲間をリードする方法を知りたかったのだと思います。

で、読みながら思ったことは覚えています。「これはすごい!」「僕が思っていることがそのまま書いてある!」です。10才の子供が、この本に買いてあることを、すべてすでに考えていたわけはありませんが、現れる1文、1文に共感したことは確かでしょう。その後の僕の人生の礎になる「人間社会思想」は、この時始まり、今も脈々と連なりながら象山活動を続けています。
人間関係をドライに捉える
この本の根底にある基本思想は、「人と自分をきちんと分けて考える」そして「人は決して自分の思い通りには動かない」です。
ならば、どうすれば良好な人間関係が築けて、社会に対して創造的な役割が果たせるだろう?ということを、非常によく整理された章立てで説明している本が「人を動かす」です。
映像制作の基本スタンス
この根本思想は、映像をつくる上でも非常に大切なスタンスだと僕は思っています。ましてビジネスとして映像を制作する身であれば、自分を客観的に見られることは大前提であり、「人は思い通りには行かない」を如何に突破するかが、僕たちの技量だからです。
明日はもう1冊の本をご紹介します。