Tomizo Jinno
物理特性とイマジネーションと映像をつくるということ
物性
硬いコンクリートの地面にビルの屋上から「鉄球」を落とす。
同じ条件で「ゴルフボール」を落とす。
同じ条件で「テニスボール」を落とす。
鉄球が路上の人の頭に当たれば即死ないしは頭蓋骨骨折。ゴルフボールでも脳挫傷は避けられないでしょう。テニスボールなら「痛い!」で済むかも知れません。こうした感覚は皆が経験的に持っていて、類似の状況に遭ったら「これは危ない」「この程度なら危険はない」と判断できます。
頓珍漢
では、こういう設定ではどうでしょうか。
家庭の水道の蛇口が壊れて水が出っ放しになった!
ビニールテープでぐるぐる巻きにして止める?
口径にちょうど合うゴム栓を差し込む?
現実にはどちらも難しいですよね。
例えば、短いビニールホースを差し込みホースバンドでしっかり止めたあと、ボニールホースの先を折って止める。という方法で止められるかも知れませんが、ホースが抜けてしまうかも知れません。こういう経験頻度が低い状況での「物理感覚」については、人によって大きく差が出ます。
「そんな方法で止まるわけないじゃない!!」というやり方をする人は結構います。
物性想像力と映像制作力
こういう物理的な性質の想像力というのは「シミュレーション力」だと思うのですが、違うでしょうか。
映像(動画)的イマジネーションとでも言いましょうか。
物の性質を想像する時、あなたは動画で想像してませんか!?シミュレーションというのは動画に決まってる、と僕は思っていますが、皆ではないのかな。
物理特性シミュレーション能力の正確さ、豊かさって、映像制作者にはとても大切なような気がします。僕は優れているかどうかは別にして、そういうシミュレーション好きです。
