Tomizo Jinno
無意味な2カメと無意味なインサートのWEB採用動画
2カメで撮る理由
ひとりの人をインタビュー撮影しようとする時、後の編集のことを考えて2台のカメラで収録する、ということは昔からやる。
というか、昔は当然のようにそうしていた。
やむを得ず1台のカメラで撮影しなければならない場合は、インタビュー撮影後、その人の服や装飾品、部屋のインテリアなどを寄目で撮っておき、編集時に話のつなぎ目にインサートして、画面がジャンプすることを避けたものだ。
ジャンプつなぎ平気
どうだろう、20年くらい前から話を繋いだ部分で画面がジャンプすることを気にしない傾向が始まったような気がする。半秒くらいの短いディゾルブで処理して、いくらかショックを減らせばOK、みたいなお約束になった。
だからインタビュー撮影も1台のカメラで行うことが、割と普通になった。
本来のインサート映像
つなぎ目をごまかすためではない、ちゃんとしたインサートならば、インタビューで喋られた内容に即して、資料や関連事物を調達して撮影するのが王道だろう。下手をすれば海外ロケも必要になったりして・・・。
ジャンプ編集がOKになったことで、(予算や制作時間が少ない仕事ならば)無理にインサートを入れてごまかすような映像作りは流行らなくなった。
さて、翻って現代
最近目にしたWEB上の「採用動画・インタビュー」に驚いた。
2カメ+インサート別撮りである。
2カメというのは、対象者のお話内容に即して、少し客観的になったり、視点を替えてみたり、というようにちゃんと「意味を表す」方法だと思うが、その映像の2台のカメラのカット割りは、まったく意味不明のタイミング、意味不明の角度、画角変わり。
無意味なばかりか混乱させるインサート
更にインサートときたら、その人の日常風景なのだが、喋っている話にはまったく無関係であるばかりでなく、別な意図を持っているような画像が随所に入ってくる・・・。
いったいこれは、何がしたいのだ???
どうしてこういう映像(動画)が世に出てくるの?
それとも、僕が古い?
こだわりすぎ?!
誰か教えて。
