• Tomizo Jinno

映像制作会社への期待と誤解

映画・テレビ番組

この大きなメディアジャンルによって映像時代は始まり、成長しました。

そしてインターネットという通信技術によって、視聴者が任意の時間、任意の場所、任意のコンテンツを選んで視聴できる映像時代へと変貌を遂げました。

これらのメディアが「一方的」であるとか「双方向」、「オンデマンド」であることは、誰でも理解し論議するのですが、そこへ向けて制作されるコンテンツ(映像)自体が持つ性質の差について、あまり深く考える人はいません。

映画、テレビ番組は一部の専門業界・専門チャンネルを除き、大半が一般大衆を視聴対象として、できるだけ「誰でもわかる」ことを考えてつくられています。

一方、語弊を恐れずに書けば「企業映像は興味がある人ならわかる」ことを前提に制作しています。

WEB動画、YouTube動画

こう呼ばれるコンテンツも、視聴者対象を広く一般にまで広げれば、その制作手法はテレビ番組と大きく変わらない、老若男女に広く理解しやすい大衆的なものとなります。「ビジネスパーソン」という対象を設定するなら、最前線で働く企業戦士に共感を得るようなキーワードが並ぶことでしょう。子供向けも同様です。

この程度の視聴対象のセグメントはテレビ番組やCMで日常的に行われてますから、その対象でない人でも大きな違和感は感じないし、ある程度その番組の出来の良し悪しも判断できるでしょう。

マニアック

しかしWEB動画・YouTube動画で、例えばエンジンオイルへの添加剤が燃焼室の壁をどう守るか?みたいな映像は、10秒やそこらならともかく、何分もそういう話をされたら視聴者はすぐに離脱します。けれども、ある一定の人達には、非常に興味深い情報であり、もっと知りたい・・・と視聴を続けます。YouTubeに上がっている動画の大半は、こうしたマニアックな動画コンテンツです。


興味がもてない映像は評価できない

企業映像制作という仕事は、大半が上記のようなマニアックなモノやコトを扱った仕事です。人は自分に向けられていない映像は、でき不出来以前に、視聴者が理解しようとか深く知ろうという気持ちなしに視るので、まったくちんぷんかんぷんで評価不能のはずです。従って私たち企業映像制作者は、クリエイティブ力が高くない・・・なんて思われたりします。

企業映像は狭い対象を相手に事実だけを扱う

企業映像のシナリオは、そのモノやコトをもっと知りたい、深く知りたい人の頭の中を想像しながら、そこにある事実を利用して論理的にリアリティと説得力を生み出すよう作成します。あるニッチな世界を相手にするのならば、そこでしか使われないような専門用語も使います。視聴者が「あ、僕に向けられた情報だ」と思うからです。興味のない視聴者は「あ、僕には関係ない世界だ」と思うはずですから、すぐに視聴離脱されます。

「Youtube動画は制作されますか?」

よくそう問われます。もちろん弊社で制作させていただきます。しかし、この質問の意図は人によって様々ですので、必ず「どのような目的で、何をPRなさりたいですか?」とお尋ねします。

YouTubeをテレビ同様のディアだと勘違いしている人は、面白いコンテンツをつくりYouTubeチャンネルにアップしておけば、テレビCMのような効果を産むのではないか?という期待をします。これは完全に間違っています。たしかに、どこかアクセスの多いWEBサイトにシェアされれば、爆発的に視聴されることはありますが、それはそれで別のPR会社に費用を払うことになり、多くの場合「YouTube番組なら制作費も安く上がれる」とお考えですので、ご期待に添えないことになります。

興味を持っている(くれる)人にだけ視てもらえればいい

WEB動画、YouTube動画はそう考えることをお勧めします。もちろんタイトルやキャプションは、キーワードに注意しながら、WEB上で目にする機会を多く獲ることは前提になります。また、興味を持ってくれた人に、次のアクションを起こしてもらう仕掛けがなければ、売上の向上には繋がりません。けれども、ブランディングや採用のために企業イメージを高めたい、替えたいとお考えならば、直接的なアクションを期待せず、何年かにもわたって再生数がジリジリ増えていく、、、そういう使い方をするのが賢いのではないかと思います。