Tomizo Jinno
映像制作におけるシナリオの役割(その1)
Updated: Mar 8, 2020
設計図面
建築でも機械でも、それをつくりあげた時のカタチを「線や文字」で表します。
外形だけでなく、表から見えない内側の形も表しています。
映像の設計図・シナリオ
映像制作におけるシナリオは、上記の設計図と同様に、完成形の映像を「文字」で表したものです。ナレーションで進行する映像であれば、主にナレーション原稿を軸にして、それぞれの文章に対応した映像がどんなものか、テロップや図表、音楽や効果音がどのように入るのかが、文字で書き表されています。
考案者と製作者をつなぐ
建築でも映像でも、設計図もシナリオも、複数以上人間がその製作に関わる場合に、作り上げるモノについて「共通認識」を持つために必要でした。
設計図は平面図や立面図に分解されていて、完成形をイメージするには2次元情報を頭の中で3次元に変換する必要があります。同様にシナリオも、そこに書いている文字情報からその時流れている音楽とナレーションを想像しながら、映像をイメージするという、脳内作業が必要です。
完成形をイメージするには経験と努力が要る
設計図もシナリオも、「解読」という努力が必要で、それは経験値が上がればかなり楽にできるようになります。
ビジネスとしてオリジナル制作映像を注文する
企業が企業活動としてビジネスのための映像制作を注文し、我々もビジネスとしてその制作を請け負う以上、注文内容を規定する資料は必ず必要ですので、建設における設計図と同様の意味で、映像制作業界ではシナリオがそのエビデンスとして扱われてきました。
設計図面は3次元モデルで視覚化できるようになった
建築や機械製造は今では、2次元の設計図があれば3次元モデル、しかも360度の視点から完成形を視覚的に確かめることができます。
いきなり3次元モデルでイメージを作りあげ、それを2次元設計図に落としていくという手法もあるようです。さらには、3次元で設計して、そのデータで立体形象を切り出すなんてことも簡単にできるようです。
