Tomizo Jinno
映像プロデューサーがみたポストコロナのマインドシフト・テレビ篇
Updated: Oct 30, 2020
新規制作は再開したが
テレビ番組やテレビCMも新規制作が始まり、以前と変わりない制作方法のものも、三蜜回避を逆手にとった企画ものも放送されています。テレビドラマの中には、今の社会をそのまま画面に生かして、出演者がマスクをしていたり、体温測定をしているシーンさえも取り入れているドラマ番組もあります。CMについては、タレントがリアルにスタジオ撮影やロケ撮影するものよりも、やはりアニメやイラストを使用したものが、いまだに多いようです。
どこか殺風景な映像
俳優やタレントも、デズッパリの売れっ子以外は長期に休んでいた人も多く、久々に画面に登場した様子を見ると、どこか「素」な感じで垢抜けなかったり、体型が変わっていたり、シワが増えたりしているようです。そして決定的なことは、ドラマのセットまで三蜜回避の影響があるとしか思えないような、間の悪い空間が作られていて、そこで演じられる演技や役者までが、寂しい印象を持ってしまうのは僕だけでしょうか。
華やぎがない
バブル時代とまでは言わないまでも、もう少し華やかな演出がないと、見ている方が寂しくなります。近頃は海外ドラマがたくさん放送されていて、それらはコロナ以前に制作されたものであることもあって、華やかなので、余計に日本のドラマが悲しくなります。ただし、海外ドラマも新規制作が止まっているのか、ずいぶん初めの方のシーズンを再放送している傾向も見受けられて、そろそろコロナの影響が出ているのかもしれません。
テレビの画角が16:9になり、しかもプログレッシブ(フィルムトーンのような暗めの印象を与える)でフルハイビジョン(高精細)のため、画面の中の世界の作り込みがいい加減だと、非常にダサく寂しい映像になります。ドラマやCMの新規制作は始まったものの、制作者の「入れ込み方」がまだ本格的でないのかもしれません。
タレントが画面に出続ける意味
寂しくなる理由のもうひとつは、視聴者である我々が、出演者たちの顔を「久々に見る」、という「過去の人を視る」ような気持ちになっていることもあるも知れないな、と思います。タレントや歌手、俳優が、なにがなんでも画面に出続けることを重要視する意味が、これなんでしょうね。

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