Tomizo Jinno
映像のチカラと制作者のチカラ
Updated: Jan 5, 2021
NHK BS1
を視ていると、過去に遡って今に通じるテーマのドキュメンタリーを再放送してくれたり、各界のスペシャルリストをリモートパネラーにした特集番組をいくつも拵えて、どんどん放送していて、見応え満点。もう民放地上波にチャンネルを合わせるのがイヤになります。
認めるしか無い
このさい日頃の、受信料や(B2B)映像業界への民業圧迫などの問題は横においておくしかありません。まあ、普段は民放と違って何倍、何十倍もの予算と制作期間が許されているから、良い番組がつくれるのも当たり前といえば当たり前なのだけれど、今回のコロナ渦中での番組編成は企画もすごいが、制作スピードもなかなかどうして素早いです。
チカラ
で、今更ながら視ていて思うのは、カメラマンやディレクター、構成作家のチカラを遥かに凌いで、映像そのものチカラというものがあるものだなあ、という思い。
10年くらい前のエボラ出血熱と戦ったエチオピアの映像がすごかった。構成なんてあったものではないし、編集も雑いのだけれど、そこでおこったことは確実に伝わってくるチカラを持っていました。
映像そのもののチカラとはつまり、被写体自体が持っているインパクトのことです。構成が幼稚でも、カメラが稚拙でも、編集が素人でも、そこにあった、おこった事実を捉えた映像は、すべてを超越して迫ってきて、制作者の姑息な意図など無関係にしてしまいます。
リモート構成番組でも
最近のBS1のスペシャルものも、ご多分に漏れずリモート出演構成をしているものもあるのだが、リモートのパネラーの言葉のペーソスを、とにかく時間内にできるだけ伝えたいがために、ぎょっとするほどブチブチちょん切って編集している。けれども、だからと言って改ざんしている印象は一切与えていない。編集の完成度と言ったらまるで仮編集そのままを放送したような感じなんだけれど、その情報のインパクトときたらすごい。すごすぎてリアリティが伝わらないほど(!?)だったりするのです。
BS1しばらく目が離せません。
