top of page
Search
  • Writer's pictureTomizo Jinno

匿名投稿と電波法

無責任な発言の防止

「インターネットで公開ないしは、特定の集団に対して公開されている場所に記事投稿する場合は実名にて投稿することとし、サイトの管理者はその実名者に関する身元情報を取得、保管すること。」なんてしたら、投稿者は極端に減って、インターネット世界がずいぶん様変わりすることでしょう。


「交信内容の秘匿」

ところで、世界にまだインターネットが生まれるより遥かに昔、「無線機」という情報を空中に飛ばす道具ができた時、そこを飛び交う情報が人間社会に与える影響をたいへん良く理解している人がいたことが、電波法を読むとよくわかります。

電波法第59条 (秘密の保護)

何人も法律に別段の定めがある場合を除くほか、特定の相手方に対して行われる無線通信(電気通信事業法第四条第一項又は第百六十四条第三項の通信であるものを除く。第百九条並びに第百九条の二第二項及び第三項において同じ。)を傍受してその存在若しくは内容を漏らし、又はこれを窃用してはならない。


情報ダダ漏れの無線通信

つまり、無線機というのは基本的に誰かが誰かに向けて1対1で情報伝達(交換)する道具なのに(放送で使われる無線機は別)、電波という性質上、その交信内容は誰でも傍受できてしまう。交信自体は発信者が「相手」に対して行ったものなので、誰か第3者がその情報を漏らすと、発信者の意図しない人に情報が漏れることになり、多くの場合その情報は価値がないものだけど、中には誰かにとって価値を生む(発信者には損害がある)場合があるので、「聞いてもいいけど誰にも言っては駄目」という、ある意味、とても紳士的なお約束をつくったわけです。


電波法・インターネット通信にも適用できたらいいのに

僕は無線に限らず、通信コミュニケーションに載っかる情報というのは、意図された相手相互での情報共有に留めるべきで、それをたまたま目にしたり聞いた人が、それを誰かに伝聞で伝えると、かならず齟齬と誤解が生じるものだと思います。最初は小さな誤解でも、伝言ゲームを重ねると必ず情報はねじ曲がっていくものです。


現代の情報量に人間の進化は追いついていない

リアルな人間関係(対面)から電話、テレビ、携帯電話、インターネットと、級数的にコミュニケーションの相手も情報量も増加した今ですが、人間はこの膨大な情報をうまく捌ききれるほど進化はしていません。

自分の意見の発信は悪いことではありませんが、そんなに他人に知ってもらわなくても構わないんじゃないのかな?と思うのは僕だけ?

匿名投稿と電波法


bottom of page