誰のために作るのかによって、大きく異なる
式典冒頭(オープニング)に大スクリーンで上映する、典型的な周年記念映像。
オープニングは壮大に幕開け、これから始まる式典への期待と、周年の節目を迎える厳かな気持ちを湧き立たせるのが目的。
続いて創立の経緯と発展の歴史を振り返る。この歴史が長ければ長いほど、映像の尺も冗長になるため、歴史の「転機」を探し、ストーリーに起伏を設けるのも定番である。
こうした周年式典用の映像は、創業者や創設者(の関係者)の事前承認は必須となるため、切るに切れない事項ばかりになり、結果ものすごいことになってしまうのも定番。
「これはいったい誰が誰に見せたい映像なのか?」と考えてみると、やはり創業者が、その配下にある関係者や社会に対して、自身の権勢を再認識させるためのものなのでしょう。しかし、平成以降の企業社会は、創業一族の威力が表に出ることを非常に嫌うので、こうした映像制作案件も「壮大」よりも、社員、家族のための「ほんわかムード」が好まれる傾向になってきました。