Tomizo Jinno

Jun 13, 20233 min

ヘッドマウントディスプレーは普及するのか。日本で映画・映像制作ついて体系的に学べる学校は?!

Updated: Jun 22, 2023

映像技術は撮影機材、編集機材のみならずVFXやA.I.技術によって劇的な進化を遂げています。この度Appleは新発売したヘッドマウント(ゴーグル)型のディスプレーでAR、VRといった概念を超えた視聴覚体験を提供すると謳っていますが、かつての3D映画がそうであったように、肝心なことはいくらハードウエアが新しくてスゴイことができても、そこで体験する楽しいコンテンツが継続的に提供され、進化していくかどうかです。

ヘッドマウントディスプレー


 
コンテンツにはプロトコルが必要
 
時間軸をもつコンテンツは、舞台演劇同様に創る人、視聴する人が共通にもつお約束によってストーリーを生み出します。映画にとどまらず現在のネット動画も原則的には、19世紀末にエジソンによって発明されたシネマトグラフに始まるフィルム撮影、フィルム編集についての「お約束」(カット割とかモンタージュとか)とも言えるプロトコル(文法)を受け継いでいることを、まず理解していただきたいと思います。
 
日本のお家芸となった「まんが」も、様々なカット割り技法や吹き出しセリフの表記の仕方に、暗黙のルールがあることからも、そうしたプロトコルの共通認識が、面白さや喜怒哀楽を生み出していることに同意いただけるでしょう。


 
大事なことは「進化しつづける」すること
 
映像もまんがもどんどん「新しさを産み出す(プロトコルを進化させる)」ことで、聴衆を惹き続けてきました。基本プロトコルを100%無視したコンテンツというものは「別物」であり、別物はインパクトがあれば1度は振り向きます。しかし継続して視るかどうかは魅力が持続するかどうかです。インパクトというのは変化(進化)し続けなければすぐに飽きられるのが世の常です。
 

 
基本プロトコルの上に新しさは育つ
 
3D映画の基本プロトコルは普通の映画のプロトコルとほぼ同じで「見え方」が違っただけですので、基本的な意味での映画の面白さがなければ、ただの飛び出す映像です。ゴーグルディスプレーで視聴(体験?)する対象がストーリーを持つものならば、その基本は映像のプロトコルを持たねばなりません。映像のプロトコルを使用しないコンテンツであれば、それはまったく異次元の体験ですが、ようはそれが持続的に楽しさを提供する体験でなければ、すぐに飽きられます。映像は人類百年の歴史が積み上げてきたプロトコルがあり、ストーリーがあるから楽しいのです。
 

 
映像のプロトコルが軽んじられる日本
 
この日本で映像コンテンツの状況を眺めてみると、実にそのプロトコルについて無頓着に映像が作られていると感じます。映像技術を学究的、体系的に学ぶと同時に、その個々の技術を実践的に体験し、高めていく環境が、この日本ではほとんど整っていないためではないでしょうか。いずれ世界から置いていかれることになるかも知れません。
 

 
大学で映像制作を学ぶ
 
- 日本大学 芸術学部


 
- 大阪芸術大学 芸術学部


 
- 武蔵野美術大学 造形構想学部


 
- 立命館大学 映像学部


 
- 東京造形大学 造形学部


 
- 東京工芸大学 芸術学部 映像学科


 
- 京都芸術大学 芸術学部 映画学科


 
- 神戸芸術工科大学 芸術工学部 映像表現学科


 
- 東北芸術工科大学 デザイン工学部 映像学科


 
- 日本映画大学